
のんべんだらりと生きてきた。これまでずっと。
危機感や焦燥感を感じた事がないわけではないが
いつもどこかで他人事のような
外野から自分を覗いている別の自分がいる。
良くも悪くも、それが私の処世術であり、
ストレスを回避する方法だと思い込み実践している。
父が危ないという連絡が母から入った。
父とは特別仲が悪いとかではないが、ドライな親子関係ではあった。
パニくるかな、私。
もう一人の私がちゃちゃをいれた。
悔しいからきちんと着替えて化粧もして自分で運転して病院へ向かった。
上ずり気味な声ながら、あちこち必要な連絡も落ち着いて済ませた。
その後の諸々もかなり正確に記憶している。
ただひとつ記憶でヘンなところがある。
無事手術を終えた父と対面した時のこと。
かけた言葉や風景も頭に残っていない。
ちょっとだけの残象を頼りに思い出そうとするが何も引っ張ってくることはできない。
その時だけは私のコピーロボットは全然使い物にならなかったようだ。
振り返ることができない言葉は本物なんだと思う。
コピーは本物には勝てないから現われようもなかったんだろう。
数日前に家から見た大きな虹。
私の心にも今、虹がかかっている。















